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WEBマーケティングで使える心理学20選

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WEBマーケティングを成功させるには、ユーザーの行動を的確に導くことが不可欠です。そのためには、人間の心理的傾向や行動原理を科学的に解明している心理学の知見を活用するのが最適な方法です。本記事では、WEBマーケティングで役立つ心理学理論や効果を20選ご紹介し、具体的な活用例も交えて詳しく解説します。

巻き込み原理

人は一度行動を起こすと、その行動に一貫して従う傾向があります。無料サンプルの配布から有料購入へと導くのがよく知られた例です。ユーザーに少しずつ行動を起こさせ、徐々に製品やサービスへと巻き込んでいくのが狙いです。

希少性の原理

希少な存在ほど価値があると認識される心理的傾向です。在庫数や期間限定販売など、希少性を演出することでWEBマーケティングの効果が期待できます。amazonの「残り●点」表示はこの原理を利用した例です。

リスク回避の原理

人は損失を被るよりも得をする方を選ぶ傾向にあります。サブスクリプションの解約を面倒にしたり、キャンセル料を設けることで解約を回避させられます。退会プロセスの手間を意図的に多くするのも手です。

社会的証明の原理

他者の行動を参考にして、自分も同じような行動をする心理傾向があります。例えば、「他の人はこの製品を購入している」といった記載を付すと、購入を後押しできます。口コミやレビューを示すのも有効でしょう。

autorityの原理

専門家や権威者の発言は、一般人よりも説得力があると思われがちです。自社CEOやインフルエンサーなどの発言を上手く利用するのが賢明です。ブランド公式からの情報発信力は大きくなります。

一貫性の原理

一度コミットした行為やアイデアに従って行動する心理的な拘束力があります。WEBアンケートやカート情報の入力フォームで回答を求めると、その後の購入行動に結びつきやすくなります。

対比の原理

2つを比べるとき、一方が高く評価されやすい傾向があります。価格設定や商品ラインナップを工夫すれば、狙った製品の魅力を高められます。高価格版を併設して安価版の価値を対比的に強調する手法は有効です。

幻影の選択肢の活用

選択の自由を与える代わりに、実質的な選択はできないよう工夫します。サブスクリプションの自動更新のように、事実上の選択肢は存在しません。選択の機会があるかのように見せかける手法です。

マーケティングサヴァン効果

製品に愛着がわくと、合理的な選択を避けて、製品を過剰に購入してしまう傾向があります。ユーザー体験の改善でブランド愛着を高め、リピーター化を狙うのがよいでしょう。

フレーミング効果

同じ状況でも、情報のフレーミングの仕方によって判断が変わることがあります。割引率表記ではなく、セール価格表記の方が、より安く感じられるなどが挙げられます。フレーミングを意識的に使い分けましょう。

アンカー効果

最初に示された価格や情報が、その後の判断の基準になりやすい傾向があります。通常価格(アンカー価格)を高く設定し、実際の販売価格を低く見せる手法に利用できます。希望小売価格の設定などで意識しましょう。

バンドワゴン効果

人気のあるものに乗り遅れまいと思う心理傾向です。購入者数や人気ランキング、売れ筋製品といった情報を提示することで、この心理を喚起できます。合理性よりも同調を重視する傾向があります。

パラドックス効果

矛盾したメッセージは、単一のメッセージより印象に残りやすいという効果があります。広告コピーやSNSキャンペーンなどに意外性のある表現を取り入れることで、注目を集められるでしょう。

カンデラ効果

ある事柄への心理的準備ができていると、その事柄に関する手掛かり刺激を認知しやすくなる傾向です。ユーザーの動機づけ醸成が重要となります。ブランドストーリーや製品情報で興味を引き、購買行動へと導きましょう。

ヒューリスティクス

人は状況によっては、経験則に基づいた判断ルールを用いて意思決定をする傾向があります。代表例としては、利用可能性ヒューリスティクス(身近な情報を過剰に重視する)、アンカリング(基準値への拘り)などがあげられます。

地位の念入りの経済的合理化

一度投資をすると、その投資を正当化するため、さらなる投資を増やしがちです。無料会員から有料へと移行を促すのにこの心理を利用でき、初期インストール後のアップグレードに適用しやすい理論です。

ゲーミフィケーション

ゲームの面白さに着目し、チャレンジ、報酬、ランキングといった要素を取り入れることで、ユーザーの動機づけを高めることができます。SNSでのコンテストやキャンペーンなどに応用が期待できます。

不完全性の原理

物事が完全ではないと知ると、完全なものを欲するようになる心理傾向です。ユーザーエクスペリエンスを意図的に不完全にすることで、有料版やアップグレードへの移行を促せるかもしれません。

モラトリアム効果

一時的にサービス選択を保留すると、現状維持バイアスから変更への抵抗感が薄れる効果があります。定期購入サービスなどで、一時解約を認めることで、顧客の継続率が高まる可能性があります。

認知的不協和理論

この理論によると、私たちは価値観や信念と現実の行動が矛盾すると、心理的に不協和で不快な状態になります。その状態を解消しようと、価値観や信念を変えたり、行動を合理化したりするようになるのです。


WEBマーケティングでは、この不協和状態をうまく作り出すことで、ユーザーに購買行動を促すことができます。たとえば、環境保護を重んじる人に対し、環境にやさしい製品の宣伝を行えば、その製品を購入することで認知的不協和を解消できます。

また、フリートライアルなどですでにある程度の行動を起こさせた後に、有料移行を促すのも有効な手段です。無料で試用している矛盾と、有料にしないと使えないという現実のギャップを作り出すことで、有料移行へと導けるかもしれません。

さらに、消費者の理想像とのギャップを意識させ、その製品やサービスを購入することでそのギャップを解消できると提案する方法も考えられます。「理想の自分」を期待させることで、購買意欲を掻き立てられます。

このように認知的不協和は、ユーザーに心理的プレッシャーを与えることで、望ましい購買行動へと導く重要な理論です。ただし、あまり露骨なやり方は倫理的に問題があるので注意が必要です。上手くユーザーの気持ちを理解し、Win-Winの関係を築けるよう心がける必要があります。

まとめ

以上、WEBマーケティングで使える20の心理学理論やテクニックをご紹介しました。人間の行動原理を科学的に解明した心理学の知見は、WEBマーケティングに多くの示唆を与えてくれます。

ユーザーの心理に働きかけ、望ましい行動を促すためには、これらの理論を積極的に活用することが不可欠です。ただし、あくまで人間の気持ちを無視した押し付けにならないよう、常にユーザーの立場に立って配慮することを忘れないでください。

倫理的で建設的なWEBマーケティングを心がけ、お客様との良好な関係を構築することが、結果的に企業の発展にもつながるはずです。心理学の知見を賢く取り入れつつ、人間性の高いアプローチを目指していきましょう。

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