人生を変えたい、成功したいと思っている人は多いでしょう。しかし、その実現のために筋トレや副業を始めても、すぐに挫折してしまうことがよくあります。なぜでしょうか?
作家・編集者の長倉顕太氏は、著書『移動する人はうまくいく』の中で、環境を変えることの重要性を説いています。本記事では、この本の主要なポイントを紹介し、環境を変えることがいかに人生を豊かにするかを探っていきます。
環境を変えることの重要性
長倂氏によると、人生を変えるには意志の力だけでは不十分です。むしろ、環境をガラリと変えることが重要だといいます。
企業家の大前研一氏の言葉を引用すると、人間が変わる方法は3つあるそうです:
- 時間配分を変える
- 住む場所を変える
- 付き合う人を変える
これら3つを一気に変える最も効果的な方法が、「移動して環境を変えること」なのです。
なぜ移動が大切なのか
1. 選択肢が増える
長倉氏は、人生の豊かさは選択肢の多さにあると考えています。1つの場所に定住していると、その土地の価値観に染まり、選択肢が限られてしまいます。
例えば、日本にずっといると「会社を辞めたら人生終わり」「マイホームを買わなければならない」といった価値観に縛られがちです。しかし、移動して新しい環境に身を置くことで、視野が広がり、多様な選択肢が見えてくるのです。
2. 脳が活性化する
脳科学者の毛内拡氏によると、旅行など新しい環境に身を置くことで、脳の使い方が切り替わるそうです。
普段の生活では、脳は「デフォルトモードネットワーク」と呼ばれる省エネ状態になっています。しかし、旅に出ると「サリエンスネットワーク」が活性化し、周囲に注意が向くようになります。
この状態では、問題解決能力が上がるだけでなく、ポジティブで意欲的になることが分かっています。小説家がホテルに泊まって執筆するのも、このためかもしれません。
なぜ人は環境を変えられないのか
多くの人が環境を変えることの重要性を理解していても、実際に行動に移せない理由があります。それは、安定や現状維持を求める気持ちが強すぎるからです。
特に日本人は安定志向が強く、パスポート取得率はわずか17%です。しかし、安定を求めすぎると、人生がつまらなくなる可能性があります。予想通りの毎日に、変化や驚きがなくなってしまうのです。
具体的にやるべきこと
環境を変えるために、長倉氏は以下の5つを提案しています:
1. 年4回は海外へ、年4回は国内旅行へ行く
いきなり海外移住は難しいかもしれません。まずは、比較的治安のいい国(台湾、韓国、ハワイなど)への旅行から始めましょう。国内旅行も並行して行うことをおすすめしています。
重要なのは、観光地を回ることではなく、単に移動すること自体です。1泊や日帰りでも十分効果があります。
2. 会社を辞めて独立する
移動の自由を得るには、時間とお金が必要です。そのため、著者は「長くても1年後には会社を辞めろ」と提言しています。
ただし、独立の方法は人それぞれです。YouTubeやnote、ポッドキャストなどのコンテンツビジネスから始めるのも一案です。
3. 移動しながら仕事をする
現代はスマホやPCがあれば、どこでも仕事ができます。著者は新幹線での移動時間を利用して仕事をこなすそうです。
移動中の方が集中しやすく、効率的に仕事ができることもあります。
4. 毎日同じ時間に同じことをする
継続力をつけるには、毎日決まったことを淡々とこなすことが大切です。
例えば、旅先でも毎朝6時に起きてカフェで仕事をするなど、ルーティンを作ることができます。
5. 間違っているかどうかは考えずに見切り発車する
リスクを恐れて準備に時間をかけすぎると、結局行動できません。多少の失敗を恐れず、とにかく動き出すことが大切です。
まとめと感想
長倉氏の『移動する人はうまくいく』は、環境を変えることの重要性を説く興味深い本です。特に印象的だったのは、「人生の豊かさは選択肢の多さにある」という考え方です。
確かに、同じ環境にいると視野が狭くなりがちです。新しい場所に行くことで、自分の常識が覆されたり、新しい可能性に気づいたりする経験は誰にでもあるでしょう。
ただし、すぐに会社を辞めて独立するのは現実的ではない人も多いでしょう。まずは小さな変化から始めるのがいいかもしれません。例えば、週末に近場の知らない町に行ってみる、普段と違うカフェで仕事をしてみるなど、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
環境を変えることで脳が活性化し、新しいアイデアや可能性が生まれる。そんな好循環を作り出すきっかけとして、この本の考え方は参考になりそうです。自分なりの「移動」を見つけ、人生をより豊かにするヒントになれば幸いです。