【書評】「サイコロジー・オブ・マネー:一生お金に困らない「富」のマインドセット」要約と感想

お金に対する心構えが、お金持ちになれるかどうかを左右するという興味深い本を紹介します。この本では、2人の異なる人生を歩んだ男性の例から、お金との正しい付き合い方が圧倒的な知識や経験、才能の差を埋められることを示しています。

尊敬をお金で買わない

お金持ちになる心構えの第一歩は、尊敬をお金で買おうとしないことです。高級車やブランド品、豪邸を求めるあまり、お金を使い果たしてしまう人が多いのが実情です。しかし、そういった高級品を所有しても、人からの尊敬や賞賛は得られません。むしろ、謙虚さや優しさ、行動の結果で尊敬を得た方がよいのです。

お金で買える最大の価値は自由

お金で本当に買えるべきものは、自由です。好きな時に好きなことができる自由こそ、幸福度を最も高めるものなのです。お金持ちになれば、朝からいつ起きるか、何を食べるか、何を着るか、どこへ行くかを自由に選べます。時間を自由に使えることが、最高の豊かさなのです。

目的がなくても貯金をしておく

目的がなくても、とりあえず貯金をしておくことが大切です。300万円程度の貯金があれば、転職を検討しやすくなったり、病気で入院しても医療費に困らなかったりと、安心感と選択肢が広がります。貯金があれば、機会が来た時にチャンスを活かせるのです。

投資して複利を味方につける

お金持ちになるには、投資して複利の力を味方につけることが不可欠です。利子の利子が復利運動となり、後半に行けば行くほどお金が加速度的に増えていきます。例えば100万円を年利5%で運用すれば、30年後には432万円になるのです。

一方で、借金は逆複利となり、お金が減っていく一方です。お金持ちは複利でお金持ちになり、貧乏人は逆複利で貧乏になっていくという側面もあるのです。

何があっても投資から退場しない

投資で成功するには、リーマンショックのような大暴落が起きても投資から退場しないことが重要です。ウォーレン・バフェットは82年間、ビルの清掃員のロナルド・リードは65年間投資を継続し、福利の力を最大限に活用してお金を爆発的に増やしました。

幅広く投資する

全体の1%が全てを決めてしまうことが多いビジネスや投資の世界では、幅広い数の銘柄に投資する分散投資が賢明です。全てが当たる必要はなく、1割が当たれば大きなリターンを得られるのです。インデックス投資はその典型例で、次の世界を代表する企業にできるだけ幅広く投資するスタイルです。

代償を払わずにリターンを得ようとしない

投資で成功するには、暴落の恐怖など一定の代償を払う覚悟が必要不可欠です。代償を払わずに順風満帆にお金が増えることはあり得ません。ナポレオンの言葉を借りれば、「天才とは周りの誰もが正気を失っている時に、普通のことができる人である」ということです。

夜安心して眠れることを優先する

投資と預金のバランスは人それぞれで、自分が夜安心して眠れるかどうかが良い目安になります。少なくとも自分が安心して眠れるくらいの投資と貯金の割合を保つことが賢明です。眠れないというのは、投資しすぎの証拠かもしれません。

未来に対して楽観的であれ

最後に大切なのは、未来に対して楽観的であることです。楽観主義者ほど健康で裕福で長生きし、人生、仕事、人間関係において成功していることが分かっています。悲観論は賢く聞こえますが、プラスよりもマイナスに注目してしまう人間の弱さがあります。

確かに今は良くないことがあっても、長い目で見れば必ず良くなると信じられるかどうかが大切なのです。世界は少しずつ良くなっている部分が多いことを認識し、楽観的に行動する方が結果的には得策なのかもしれません。

まとめ

この本から学べるお金との上手な付き合い方は、以下の通りです。

  1. 尊敬をお金で買わない
  2. お金で買える最大の価値は自由である
  3. 目的がなくても貯金をしておく
  4. 投資して複利を味方につける
  5. 何があっても投資から退場しない
  6. 幅広い数の銘柄に投資する
  7. 代償を払わずにリターンを得ようとしない
  8. 夜安心して眠れることを優先する
  9. 未来に対して楽観的である

お金に対する心構えを変えることで、知識や経験、才能がなくてもお金持ちになれる可能性が高まります。お金と上手く付き合うことで、自由な人生を手に入れられるかもしれません。

私自身も、この本を読んで特に印象に残ったのは、「お金で買える最大の価値は自由である」という部分です。あらゆる物質的な富よりも、自由に時間を使えることの方が幸福度は高いと考えさせられました。お金があれば、好きな時に好きなことができる自由が手に入ります。そのためにも、この本で説かれる心構えを身に付けたいと思いました。

この本の内容は、お金に対する価値観を見直すきっかけになり、お金と上手く付き合うための有益な視点を与えてくれました。お金に振り回されるのではなく、お金を自由に使いこなせるようになれば、人生は確実に豊かになるはずです。

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