今回は、ハーバード ビジネススクールで最優秀MBAを受賞し、投資顧問会社や投資銀行などを経営してきたチャールズ・エリスさんの著書「The Loser’s Game」の内容を解説していきます。
この本は、投資で失敗しない方法を教えてくれる一冊です。多くの人は自分は人とは違って勝てるという根拠のない自信を持って投資を始めますが、数ヶ月後、長くても数年後にはほとんどの人がお金を減らして投資をやめてしまうのが現状です。
投資のプロでさえ勝てない
なぜ多くの人が失敗してしまうのでしょうか。その理由は、プロが激しく競い合っている投資の世界に素人が入っていっても、勝てるわけがないからです。むしろ、自分のミスによって自滅してしまうのが一般的です。
投資のプロでさえ、インデックス投資に勝てないのが現状です。プロの投資家の中で、15年以上経ってもインデックス投資を上回るパフォーマンスを出せているのは10%以下にすぎません。つまり、90%以上のプロが市場平均に届かないのです。
インデックス投資が最善の選択
そこで著者が提案するのが、インデックス投資です。インデックス投資とは、市場全体に投資して平均点を獲得していく投資方法です。代表的なものにS&P500や日経平均株価があります。
インデックス投資には以下のようなメリットがあります:
- ミスを減らせる: 個別の銘柄を選ぶ必要がないため、ミスを大幅に減らせます。
- 手数料が安い: 頻繁な売買がないため、手数料が格段に安くなります。
- 手間がかからない: 企業の調査や決算確認などが不要で、時間をかけずに投資できます。
つまり、投資のプロでさえ勝てないインデックス投資は、一般投資家にとって格好の選択肢なのです。
具体的な投資先
では、インデックス投資はどこに投資するのがおすすめでしょうか。おすすめなのは、アメリカか全世界の株式指数への投資です。
アメリカは世界経済の中心であり、毎年勢いのある優良企業が生み出されています。一方、全世界株式は世界中の優秀企業に分散投資できますが、その6割がアメリカ企業となっています。
ただし、どちらを選んでも大差はありません。投資金額に応じて、S&P500かオールカントリー(全世界株式)のどちらかを選ぶのがよいでしょう。
成功のポイント
インデックス投資を成功させるには以下の3つのポイントが重要です:
- 毎月決まった金額を積み立て投資する: これを「ドルコスト平均法」といいます。株価の上下にかかわらず、一定額を定期的に投資することで、低コストで長期的に資産を築いていけます。
- 大暴落があっても売らない: 株価が下がっても、あわてて売らずに我慢強く保有し続けることが大切です。大暴落後に株価が急上昇する瞬間を逸しないようにしましょう。
- 債券は必要ない: 長期的な経済成長を見据えるならば、株式100%の方が有利です。債券は高齢者向けの安定運用に向いています。
まとめ
投資で失敗しないためには、インデックス投資が最善の選択肢といえます。株式の専門家でさえ、インデックス投資に勝てないのが現状です。
インデックス投資の魅力は、ミスを最小限に抑えつつ、市場全体の成長に合わせて資産を着実に増やせることにあります。毎月の積み立てと、大暴落時の落ち着きを忘れずに、長期的な視点を持ち続けることが肝心です。
感想
本書で示された投資の真理は、私にとって大変示唆的でした。これまで私も個別の株式に目を向けがちでしたが、むしろ市場全体の動きに着目し、余計な手間をかけずに確実に資産を築くインデックス投資の方が賢明だと理解できました。
特に、投資のプロでさえもインデックス投資に勝てないという事実は衝撃的でした。自分の能力を過信せず、シンプルながら確実な投資方法を選ぶことの重要性を痛感しました。今後は、インデックス投資にフォーカスし、長期的な視点を持ち続けていきたいと思います。
さらに、投資には手数料が非常に重要であることも学びました。頻繁な売買を行うプロの投資家は手数料が高くついてしまう一方、インデックス投資は手数料が格段に安いのは大きなメリットです。
今回の学びを活かし、これからは自分の能力を過信することなく、インデックス投資に注力していきたいと思います。市場の成長に合わせて、着実に資産を築いていくことが肝心だと理解できました。