【これだけ見ればOK】「僕が1億円を貯められた方法」要約と感想

今回は、井上はじめ氏の著書「僕が1億円をためられた方法」について解説します。この本は、手取り22万円以下の平凡なサラリーマンが33歳までに1億円を貯めるまでの軌跡とその具体的な方法を記したものです。一見すると怪しく聞こえるかもしれませんが、この方法は平凡なサラリーマンでも実行でき、ほぼ確実にお金を増やすことができる方法なのです。

著者の背景

人生の転機

井上さんは、食品会社で営業をしているごく普通のサラリーマンでした。しかし、ある日の深夜、残業帰りに70km/hで走る車にはねられ、病院のベッドで身動きが取れない状態に陥ってしまいます。さらに悪いことに、会社にとって無価値になった井上さんはリストラされてしまいました。

それまで、何かあれば会社が助けてくれるだろうと考えていた井上さんでしたが、現実は厳しく、平凡なサラリーマンを会社が助けてくれることはありませんでした。この経験から、井上さんは先の見えない将来とお金に対する不安から、何のために働くのかをずっと考え続けたそうです。

新たな目標

必死のリハビリの末、体は何とか動かせる状態にまで回復しました。そして、井上さんは「何のために働くのか」という問いの答えを見出しました。それは、「自分のやることを自分で決められる人間になりたい」ということでした。そのために、自分の力でお金を稼ぎたいと考えたのです。

会社に頼らずに自力で稼ぐことができれば、嫌なことはやらなくて済むからです。何より、事故に遭ったとき、一番頼りになるのは間違いなくお金だったのです。

自分の向き不向きを見極める

デイトレードへの挑戦

事故の後、肉体労働ができなくなった井上さんは、自分が動かなくてもお金を稼げる方法を探すことにしました。最初に始めたのがデイトレードでした。

デイトレードとは、その日の株の値動きを見て一日に何度も株を買ったり売ったりして利益を得る方法です。例えば、2,000円の株を買って4時間後に2,100円になったら売ることで、100円の利益を得るというシンプルなものです。

井上さんは、書籍やデイトレードで利益を上げている人のブログを隅々まで読み込み、実践することにしました。すると、100万円の運用資金はどんどん増えていき、4ヶ月でなんと200万円になりました。

しかし、この成功は長くは続きませんでした。ちょっとした株取引の失敗で、3週間後には運用資金が0円になるほど大きな損失を被ってしまったのです。

アフィリエイトへの挑戦

デイトレードの失敗後、井上さんは自分には投資のセンスがないことを自覚しました。しかし、普通に働けない井上さんは諦めるわけにはいきませんでした。

次に目を付けたのはアフィリエイトでした。アフィリエイトとは、自分のウェブサイトを通じて商品やサービスを宣伝したり売ったりして利益を得る方法です。

井上さんはこのアフィリエイトに一生懸命取り組みましたが、約2ヶ月間苦労して書き続けたブログに付いた読者はたったの10人でした。さらに、文章を書くのが苦手だったため、井上さんはアフィリエイトも断念することになりました。

重要な気づき

この経験を通じて、井上さんは重要なことに気づきました。それは、お金を稼ぐには、ずっと続けたいと思えるくらい楽しいことでないと、途中で壁にぶつかって簡単に挫折してしまうということです。

つまり、誰かが稼げていても、それが自分に向いているとは限らないのです。お金を稼ぐには、自分の向き不向きを見極める必要があると気づいたのです。

お金がなければ挑戦できない

ここで疑問が生じるかもしれません。なぜ井上さんは、デイトレードで100万円を失ったり、無収入でもアフィリエイトに3ヶ月挑戦できる時間があったのでしょうか?

実は、井上さんはこのとき、大学生のときに始めたあることを続けていたおかげで、すでに2,000万円以上の貯蓄があったのです。この2,000万円という資金があったからこそ、勉強する時間を取れたり、100万円の資金でデイトレードを始めたり、無収入でアフィリエイトに2ヶ月以上も挑戦できたのです。

ここで伝えたいのは、お金がなければ挑戦できないという厳しい現実です。

世界経済に投資せよ

人口増加と経済成長の関係

井上さんが2,000万円もの貯金を持っていた理由は、大学3年生の頃に出会ったある記事にありました。それは、世界の人口が66億人を超えたという記事でした。

この記事には、人口の増加に比例するように世界のGDP(国内総生産)も増え続けているという情報が記されていました。人口が増えれば、食事の量も増え、スマートフォンを買う人の数も増え、ゲームに課金する人も増え、マンションを借りる人の数も増えます。

これにより、もっとたくさんの商品を作るために会社には人手が必要になり、たくさんの人に自社に就職してもらうために会社は給料を上げます。給料が上がれば商品がもっと売れていき、このループによって国の景気が良くなるというわけです。

世界経済への投資

この考えに基づいて、井上さんは世界経済に投資することを決意しました。新入社員のときから、入ってくる給料は生活費を除いて全て世界経済に投資すると決めたのです。

もし毎月10万円を30年間続けて3,600万円積み立てることができたら、平凡なサラリーマンでも億万長者になれると気づいたのです。さらに、この方法であればデイトレードのように毎日モニターを見る必要がないという利点もありました。

具体的な投資方法

投資信託の活用

井上さんは、投資信託を毎月買うことにしました。投資信託とは、金融商品を一つの袋にまとめたものです。世界経済セットのようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。

日本には約6,000種類の投資信託があり、それぞれに説明書が付いていて中身がどういうものかわかるようになっています。井上さんは、世界経済セットの投資信託を見つけて投資することにしました。

具体的には、「全世界株式インデックス」というものを購入しました。これを買うことで、世界経済、つまり全世界に投資することができます。

投資のメリット

投資信託は、誰でも100円から投資することができます。そして、2050年に人口が100億人に到達するのであれば、必ず世界経済も成長するという確信を持って投資できます。

実際に、井上さんの資産は、2013年には2,000万円、2019年には3,600万円になっていました。

投資する上での3つのルール

  1. 毎月1日に運用成績の記録をつけること
  2. 利益が20%になったら売ること
  3. 売却して得たお金は10年分に分けて毎月の積立額に上乗せすること

これらのルールを守ることで、雪だるま式にお金が増えていくことが期待できます。

初めて投資する人への注意点

  1. まずは証券口座を開設すること
  2. 最初は1,000円からでも始めること
  3. おすすめの商品は「全世界株式インデックスファンド」や「全米株式インデックスファンド」など
  4. 株に慣れるまでは、失っても良いと思える金額で始めること
  5. NISA口座を利用すると税制上有利

まとめと感想

この本で紹介されている投資方法は、非常にシンプルでありながら、長期的には効果的な方法だと感じました。世界の人口増加と経済成長の相関関係に着目し、それを投資に活かすという考え方は興味深いものです。

特に印象的だったのは、著者の井上さんが自身の経験から学んだ教訓です。デイトレードやアフィリエイトの失敗を通じて、自分に合った投資方法を見つけ出す過程は、多くの人にとって参考になるでしょう。

また、投資を始める際の具体的なアドバイスや、3つのルールなど、実践的な情報が豊富に含まれていることも、この本の強みだと思います。

ただし、投資には常にリスクが伴うことを忘れてはいけません。世界経済が常に成長し続けるという前提には、慎重になる必要があるでしょう。また、個人の財政状況や目標によって、適切な投資方法は異なる可能性があります。

それでも、長期的な視点で投資を考え、コツコツと積み立てていくという基本的な姿勢は、多くの人にとって有益なアプローチだと考えます。この本は、投資初心者にとっては良い入門書となり、すでに投資経験がある人にとっても、自身の投資戦略を見直すきっかけになるかもしれません。

最後に、お金は人生を豊かにする一つの手段に過ぎないということを忘れずに、自分なりの幸せな人生を築いていくことが大切だと感じました。

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