【書評】「アテンション・スパン」要約と感想

ここでは、グロリア・マークの著書「アテンション・スパン」について詳しく解説します。この本は、私たちの集中力を最大限に活用する方法を教えてくれます。

私たちの集中力は限られている

本書の主旨は、私たちが1日に使える集中力は限られているということです。例えば、午前中に集中して作業をすると、午後にはだんだん疲れが出てきて集中力がなくなったりします。私たち1人1人には、集中力という限られた量の資源があり、それを使うことで様々なことに集中し、作業を成し遂げることができます。

この集中力のタンクを浪費してしまうダメな行動があります。それが「注意を向ける対象をコロコロ切り替えること」です。例えば、資料を作成しながらメールに返信したり、勉強しながら友達と話したりするようなマルチタスクをすると、集中力のタンクを早く使い切ってしまいます。

実際、1日平均77回もメールをチェックしているという調査結果もあり、メールのせいで1日に77回も気が散っている可能性があります。また、メールに費やす時間が長ければ長いほど、人々が受けるストレスが大きいことも分かっています。

集中力を最大化する6つの方法

それでは、この限られた集中力をうまく活用するにはどうすればいいのでしょうか。本書では、以下の6つの方法を提案しています。

1. 集中力がピークの時に大事な仕事を行う

大体の人は午前11時と午後3時頃に集中力がピークに達します。このタイミングで大事な仕事や勉強に取り組むことをお勧めします。一方、集中力のピーク時に多くの人がメールの処理をしがちですが、これはもったいないことです。

2. マルチタスクよりシングルタスクで仕事や勉強をこなす

私たち人間は、1度に2つ以上のことをこなすマルチタスクには向いていません。ほとんどの人は、シングルタスクを高速でカチカチ切り替えているだけです。マルチタスクをすると成果が落ちて、ストレスや疲労、ネガティブな感情になることが分かっています。そのため、基本的にはシングルタスクで1つずつ仕事を終わらせていくのが1番の近道です。

3. 切りのいいところで作業を中断する

切りのいいところまで作業を進めると、その仕事のことを気にかける必要がなくなり、頭から作業のことを切り離すことができます。一方、切りの悪いところで作業を中断すると、その仕事のことが頭から離れずに気になって集中力のタンクが浪費されてしまいます。もし切りのいいところで中断できない場合は、次の作業手順を書いたメモを残しておくことをお勧めします。

4. 疲れたら休憩を取って集中力を回復させる

集中力のタンクは休憩を取ることで回復させることができます。お勧めなのは、散歩したり自然に触れたり、単純な動画やゲームを楽しむことです。仕事や勉強から完全に離れた休息を取ると、集中力のタンクがかなり回復します。

5. 自制心のない人は気が散らないようにスマホの通知をオフにしたりサイトをブロックしておく

シンプルに、仕事中に気が散ってしまうインスタやAmazonのランキング、YouTubeなどのサイトをブロックしておけば、強制的に気が散ることを減らすことができます。自制心が弱い人は、ブロッキングソフトなどを活用して、気が散らないような環境を作ることをお勧めします。

6. 毎朝パソコンの電源を入れる際に1日の目標を明確にする

私たちは、目標を忘れてしまいやすいものです。そのため、毎朝パソコンの電源を入れる際に、「今日は何を達成したいのか」と自分に質問して、その日の目標を明確にしておくことが大切です。そうすることで、制限された時間の中でその目標を何とか達成しようと努力するようになります。

注意力はお金になる

最後に、著者は「私たちの注意力はお金になる」と指摘しています。現代社会では、人々の注意を引きつけることがお金になるため、企業やインフルエンサーは必死でアピールし、私たちの注意力を奪い合っています。

そのため、私たちは自分の注意力を大切なことに使えるよう意識することが重要になってきます。注意力をお金のように扱い、うまく使うという意識を持つことが求められています。

まとめ

以上が、グロリア・マークの著書「アテンション・スパン」の解説でした。私たちの集中力は限られているため、その貴重な資源をうまく活用することが鍵となります。本書で提案された6つの方法を実践することで、より効率的に作業ができるようになるでしょう。

私の感想としては、この本は非常に実践的で参考になる内容が多かったと思います。特に、「切りのいいところで作業を中断する」という点は、実生活でも役立つと感じました。一方で、著者の文体がやや難解な部分もあり、読みづらさを感じることもありました。

しかし、総じて私たちの集中力を最大化するための具体的なアドバイスが詰まった良書だと言えるでしょう。忙しい現代人にとって、この本で学んだ知識は非常に有益なはずです。集中力をうまく活用することで、より生産性の高い毎日を送ることができるはずです。

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